JIN-仁- #06

週を追うごとにハマっていきます。なんともロマンティックなファンタジー作品であり、非常に引き込まれます。
おそらく、村上もとかのロマンティックな世界観が忠実に再現されたドラマなのだと思います。『JIN-仁-』の原作は読んだことは無いのですが、他の代表作である『龍-RON-』をいっとき読んでいました。いつどこで叶うかも分からない遠い逢瀬に想いを馳せて相手を想いやるシーンの繊細な心象描写は、少女マンガのように可憐なタッチと相まって、なんとも言えず切ない気持ちにさせられました。フィクションであり、実際にはあり得ないほどの偶然によりすれ違い続けるのですが、熟慮された時代設定により強いリアリティが感じさせられ、それもまた運命なのだと納得して引き込まれていくのです。
おそらく『JIN-仁-』の原作でもその独特の世界観が展開されているであろうことを想像させられる、魅力に溢れる作品になっています。
中でも、毎回用意されている、主人公・南方仁が恋人・未来と二人並んでいる写真を見つめながら、自らを省みるシーンは秀逸。どうして過去へタイムスリップしたのか、江戸時代で自分が何をすればいいのか、あるいは何かをしてはいけないのではないか、この先どうなるのか、そして、遠いところで眠っている恋人・未来への想い。博識ある人間であるが故の深い考察がやがて自分の存在意義にまでメスを入れ、何か事を果たす度にそれを繰り返すことで、段々と前向きな気持ちに変わっていく。その姿が、視聴しているこちら側にも伝わってきて、私自身に置き換えて考えさせられます。だからこそ引き込まれるのでしょうね。
原作を読みたい気持ちは強いですが、読んでしまうと原作とドラマとの相違を考えてしまったり、視聴する上でのノイズが生まれてしまうでしょうから、毎週のドラマに集中したいと思います。