めちゃイケSP

ようやくめちゃイケSPを視聴。
「中居&99」の相変わらずの作りこみの深さに脱帽。完成度の高さにため息が出ます。
めちゃイケは、まるでしりとりをとるように、オチをつけたら次はそのオチをフリにして新たな笑いを生む、笑いの螺旋階段のような番組。2年前の「中居&99」のオチは、バリーの首輪の樽を開けると「この番組はフィクションです」と出てきて、それを見た中居が「フィクションじゃねーよ、俺ホントに怒ってんじゃねーかよ!」と文句を言って終わるというものでした。その記憶が強烈に印象に残っていたので、バリーが出るたびに気になって見ていたのだけど、今回はそれをフリにして、番組の最後の最後にバリーの樽を開けると「この後いよいよキムタク登場!!」とハズシてきて、「俺の2時間半はなんだったんだよ!」と文句を叫ぶというオチ。そして、これまで張られた伏線の紐を解きながら(H.Matsuiのサインとか)最後に壊れたプラズマテレビにパーンされて、メーカーロゴの位置に「この番組はフィクションです」と出て終了。なんて美しいラストシーン。
やぶさめでプラズマテレビが射抜かれた瞬間に大笑いしたこととか、しかもそのプラズマテレビが後の天丼に繋がっていることとか、27時間テレビ同様にキャラクターを充分発揮したFNS各局社員の方々(特に松井秘書の作りこまれたキャラ)とか、「喫茶店」「サイコロ」のつなぎ方や風呂から温水スライダーしてくる中居くんの衝撃映像とか、まるで本当に中居くんが生活しているように細部まで並べた架空の中居部屋とか、言いたいことを数え挙げたらキリがないのだけど、無駄な部分が微塵も見当たらない良作で大変満足でした。
満足の理由は、やっぱり「今回は何で来るか」というように、前回を踏まえて笑う準備をしながら見ているからなんだろうなと思います。年を経れば経るほど熟成されていく蒸留酒のように、視聴を重ねれば重ねるほど、これまで重ねてきた笑いの蓄積が濃厚な味わいとなって楽しみにつながっていく。もっと言えば、これまでのお笑いの歴史をもオマージュして作られているので、ドリフやらひょうきん族やら、今回の場合はお笑いウルトラクイズなんかを見て育ってきた者にとっては、正に五臓六腑に染み渡る熟成された一品なのです。
そういう意味では、逆に今日はじめて見る人にとっては、ただただ長い2時間半だったかもしれないし、中居くんがむちゃくちゃされて終わりに見えたかもしれません。でも、せめて当日のお昼にやっていたいつもの「復習&予習SP」とセットで見てくれれば、この番組の面白味の深さが分かってもらえるんじゃないかな。次回、なんらかのめちゃイケSPを見るときの参考までに。