朝まで生テレビ - 「激論!若者に未来はあるのか?!」


十数年ぶりにこの番組を見ました。すったもんだしながらの討論でしたが、面白かったです。
結果的に今日のクサビの役割を務めることになる東浩紀氏が冒頭で投げやりに言っていた通り、若い世代が勝てない「設定」があらかじめ用意されていたので、建設的なお話ができませんでしたね。若者に主張させるテイを取りながら、それを片っ端から蹴散らす舞台とシナリオが用意されていて、テーマの正解が出ないまま終わってしまいました。制作側の悪意さえ感じます。
若手はおとなに何を言いたいんだ? ほれ、言ってみろ という乱暴なヒアリングからスタートして、何か言おうとすると横槍が入り、30代前半の市議会議員さんが「若者の意見を聞いてほしい」という主張が出ると、「だから聞いてやってるんだよ、具体的な年金政策を提示してみろ、ほれ、ほれ」と言った具合。田原総一郎議長が若手パネラーの意見を聞いてはその度に脱線して、一巡するまでに2時間半。ようやく話に血が巡り始めた頃には、残り時間があとわずか・・・。
しかし、そういう設定でのアドリブ芝居−−カタいテーマのスリーシアターみたいなもの−−だと念頭に置いて斜めから見ると、そこそこ面白く見えてしまうんですよねえ。困ったことに(笑)
特に、番組の最後に発表された電話・FAXのアンケート結果で、おとな世代に言いたいことの1位が結局「若者の意見を聞いてほしい」だったというオチが用意されていて、それを見た田原総一郎が「だからこういう場で聞いてやってるんじゃないか」みたいな堂々巡りに陥ったのは、偶然というか必然というか、よく出来ていて面白かったです。聞いてやっているじゃないかといいつつ、ロレツが回らない老齢にも関わらず議長の座を後進に譲らないアナタのような おとな世代 に、忙しい時間を割いてでも教えてあげようという献身的な若者達がお話をして差し上げているんですよ、と言ってあげたい気持ちを視聴者に持たせたままエンドロールに入ったのはお見事でした。
あと個人的にはJoe氏vsモリタク氏が見どころだったので、後半になってきて丁寧にもぐら叩きをしている姿を見ては、ブラウン管のこちら側は手を叩いていました。本来ならまだアナログなままの自分には見られない端の人たちの表情が、今回は地デジサイズでの放送だったので、ちょいちょい見切れていたので、もぐら叩きを始める前の様子も分かって面白かったです。