FNS歌謡祭

フジテレビの歌番組はプロデューサーやディレクターの恣意的な感情が左右するように思います。司会は正に作り手のわがままによるキャスティング。始まる前から気になって仕方なかったのですが、黒木瞳×草なぎ剛に川端健司アナがついていました。

黒木瞳は聞くところによると駄目元でオファーしたとのこと。元々宝塚出の舞台経験豊富な女優ですが司会としての仕事は皆無。一方の草なぎ剛も「僕らの音楽」のナレーションつながりで司会に抜擢されましたが、僕らの音楽のようなドキュメンタリーに近いような番組のナレーションと歌番組の司会とは全く別物ですからね。まあ、でも剛の司会ぶりはがんばった大賞(以前で言うところのNG大賞)の司会でギクシャクしているのに比べたら、まだカンペとリハに助けられてなんとかなったかなという感じ。とはいえ、うーん、つらいところ。

司会の話が続きましたが、去年までの司会は楠田恵理子と川端健嗣アナの緊張感溢れる雰囲気で会場が充満していて、なんだか無理にきちんとやろうという雰囲気でしたが、今年はその堅い雰囲気をを脱して、黒木瞳草なぎ剛も気楽にやってましたね。サポート役の川端健ちゃんもこれまでの使命感から解放された感じで伸び伸びやってました。

で、それに対し、全体的な歌唱の充実度はやはりいかんせん、CDの売り上げと同様さみしい感じで、懐かしVTRの寄せ集めに頼っていて、特に80年代の歌手・楽曲については何度もVTRが流れていました。今の歌謡界の貧しさを如実に映した番組構成でしたね。これなら無理に4時間半もやらずに日テレみたいに3時間くらいで忙しなくやったほうがいいのではないかと思いました。

とはいえ、FNS歌謡祭は毎年20%超えの年末の名物番組。譲れないところがあったのでしょう。現に私もつい見てしまいましたから。ちゃんと見るのはとんねるずがガラガラへびで宙吊りになって以来久々ですが、紅白を思わせる番組の重みは変わらずで、晩酌を楽しみながらゆっくりと見ることができました。ジャニース頼りだなあとかVTR見るたびにこの頃は良かったなあとかぼやくことは多かったですけどね。

こうして年末の恒例行事が一つ一つ終わっていきます。