仔犬のワルツ

クレジットには、企画:野島伸二とあった。直接書いていないとしても、野島作品には違いない。最近の野島作品といえば「プライド」。木村拓哉の「メイビー」に引いてしまうのは、リアリティが欠如しているからだと誰かが言っていた。もし、それが原因なのだとしたら、昨今流行っている、薀蓄ブームだったり定点カメラが映すドキュメンタリー(のようなもの)なんかが、ドラマを見る視聴者の目を、台本付き仮想現実を求める目へと変えてしまってはいないか。目の前の映像を通じて、自分や他人の実体験を重ね合わせやすいものを見る癖がついてしまってはいないか。
10年前の自分は、『高校教師』の真田広之や『この世の果て』の鈴木保奈美や『人間・失格』の堂本兄弟に惹きこまれていった時、そこにリアリティを求めたか? 当時の自分は、今の自分に比べたら、現実的か否かを判断できる分別はない。もし仮に、自分がその頃に今の年齢だったとしたら、やはり当時のように野島作品を一生懸命見ていただろうか。
考えがまとまらない。要は、引いたということなのだけど。