東京湾景 #2

お話自体はいたって単純なのです。背景が厄介なのだけど。
母のような恋にあこがれる美香と、その恋を叶えてくれるであろう亮介。しかし、彼らはまだ自分たちがそんな運命の下にいることを知らない。
彼は彼女のことを少しずつ知ろうとしている。それは「本当の私を見つけてくれますか」という一番最初の約束を少しずつ叶えようとしていて、実に健気だ。一方で美香は、境遇の違う相手と一緒になることで生まれるゴタゴタを面倒がって、「苦しい気持ちを紛らわすために会うのは良くない」と自分を否定して、深入りしようとはしない。
あこがれる母のような恋に飛び込んでいけるよう、ただただ単純に応援したい。