世界の中心で、愛をさけぶ #10

アキは最後まで頑固に歩こうとしました。
進めば進むほど自分の最期が近づくと知っていながら、最後の一歩まで足を止めようとはしませんでした。「死」という概念にまっすぐに向き合い、自分の逝く先がどこなのかを探し続けた末に、サクの腕の中で、今いるこの場所が天国なのだと告げると、そっと目を閉じました。
その顔はとても安らかで、目的を果たした満足感のような微かな笑みを浮かべていました。