ブロードキャスター

この秋からブロードキャスターの司会を務めることになった久保純子。口数は少ないながらも、とても番組に馴染んでいるように見えます。あまりこの番組をしっかりと見ていないのだけど、初登場当時から馴染んでいたのではないかな。それは、この番組がNHKに近い、TBSらしい硬派な番組だから。
日経エンタテイメントなんかを見ると、TBSは体制や方針をバラエティ向きに変えることによって、「報道のTBS」をテレ朝に奪われ「ドラマのTBS」をフジに奪われてこの10年落ち目であったテレビ局という見方をされているようですが、確かに結果として今TBSで残っている人気番組は、ドキュメンタリーの「情熱大陸」や「世界遺産」、報道・情報で言えば「サンデーモーニング」「ブロードキャスター」、バラエティなら「東京フレンドパーク」と、いずれも手堅く硬派な番組ばかり。ドラマも今年ヒットしたのは、「世界の中心で、愛をさけぶ」という純愛の物語。
視聴率の「三冠王」やら「四冠王」やらという 他局が作った言葉に泳がされ、バラエティ向きなテレビ局への変革を目指したけれど、ただただ他の後を追ってあがいて終わりだったわけで、何も成さなかったわけですね。
そういった意味で、ブロードキャスターに久保ジュンを持ってきたキャスティングはとても良い選択だったと思うんです。雰囲気を壊さず、手堅い番組の良さを充分に引き出せるキャスター。この秋から本人の念願だった英語の教育番組をBS-iで始めたようですが、これも合わせてTBSにとって久保ジュンを採用したのはとても良い買い物だと思います。硬派で実のある番組を望んでやまないのです。