海峡を渡るバイオリン

4ヶ月もの期間をかけて撮影された感動巨編!という鳴り物入りの宣伝がなされていたドラマでしたが、いささか消化不良でした。
きっと「北の国から」と同様、大量に撮影された中から選びに選び抜かれた場面が集められたのでしょう。流れに関係なく突然激昂する剛の姿ばかりが目立っていて、なんでそんなに叫ぶの?なんでいきなり結婚申し込むの?と、ちょっと引いてしまうシーンがいくつも見受けられました。それは、場面と場面との間に、本当は撮られていたシーンが存在していて、それがつなぎとして説明するはずなのだけど、カットになってしまったのではないかと思うのです。
今日の昼間にやっていた宣伝番組を見たときには、結婚式で田中邦衛笑福亭鶴瓶が酔っ払いながら盃を交わすというシーンが何テイクも撮られていたのだけど、実際に結婚式のシーンはわずか数秒で、二人の酔っ払いシーンは丸々カットされていました。全てのシーンが、氷山の一角のように沢山撮った中から厳選した一部分なのでしょうね。
で、編集に編集がなされたものの、結局なにが伝えたかったのかがぼやけていた感じがしました。バイオリン作りにかける情熱なのか、家族への愛情なのか、戦中戦後の激動の時代を生きた彼らの生活なのか、いずれにしてもぶつ切りにされていて物足りないように思いました。