ラストクリスマス 最終回

こちらも録画を今日試聴。ひたすらハッピーで何もかもが幸せな結末でした。
確かにあまりに軽かったような気もするし、人の生死が問われるシーンであっても重みを感じなかったのは、正しい姿だったのかは分からないけど、それはこのドラマの世界観であったのだから、私はそれで良かったのだと思います。

以前「白い巨塔」だか「砂の器」だかのレビューをどこかで見た時、台詞の一つ一つが重要で一瞬たりとも目が離せない展開に「ドラマってそもそもパスタをゆでながら見られるお手軽なものだったんじゃなかったかしら」とちょっと飽きれ気味の感想が聞かれました。確かにそうでした。いわゆるトレンディドラマの頃はキチキチのリアリティにとらわれていたりはしていなかったから、どこかで気を抜いて見ることができ、それがドラマへの安心感、ひいては視聴率に繋がっていた部分があると思うんです。そもそも当時は、お茶の間で家族みんなで見ていたものだったからね。教師びんびんとかね。
そして、当時のスタンダードであったその軽さは、展開や結末がどうあれ、良い作品は良かったし、正しく評価されていました。例えば、東京ラブストーリーや同級生などの柴門ドラマは、決してすべてがハッピーな終わり方ではなかったけど、嫌な重さは無かったし、残念がる者はいなかったように記憶しています。軽さだけで話をすれば、「僕たちのドラマシリーズ」は軽快なテンポがウリでした。

しかし、今は一体どうなっているのでしょう。今は軽さは悪いものと受け取られる向きがあり、かといって視聴率はまた別の基準で結果が出ていて、その間のギャップがどうやって埋まっているのか、私にはさっぱり分からない。

硬派で安定したドラマレビューを提供してくれるドラマは何でも教えてくれるさんでは、「今後、月9がどういう道を進めばいいのか、という命題は依然として残されたままだ。」と、こちらも疑問を残したまま今作のレビューを括っていらっしゃいます。

視聴者にひたすら迎合し今年の一大ブームであった韓流に丸々乗っかった月9が失敗だったり、リアリティが問われる昨今に歯向かって古き良きトレンディードラマを模倣した企画ものの月9が上々の結果だったり、作り手もなにが正しいかなんて分からないだろうなあ。
この前(http://d.hatena.ne.jp/andango/20041216#p1)も長々と書いたけど、良作がそのまま評価には繋がらないですから。