マスク

andango2005-03-20

花粉症専用の立体マスクをしている人をよく見かけます。
出始めの頃は、あんな恥ずかしいマスク、誰が使うんだとみんな白い目で見ていましたが、今じゃコレ無しには生活できないという人が沢山いるのですから、何が流行るか分からないものです。
おととい、地下鉄の銀座の駅で、階段を挟んで上り下り差し向かいで動いているエスカレーターを上っていたとき、向こうの下りのエスカレーターで立体マスクをした人が5人並んで降りてきたときには、笑いがこらえられなくて、思わず顔を伏せてしまいました。マスクの人を目で追っていたら、マスク、ふつう、ふつう、マスク、ふつう、マスク、マスク、マスク、マスク、マスク・・・ぷっ、みたいな。スターウォーズの帝国軍の白い人たちが並んでるところを想像して笑っちまいました。


でも、マスク無しには生活できないという状況を見て、本気で想像することは「風の谷のナウシカ」の世界。
文明社会が高度に成長し人類が自らを滅ぼした後の世界で、腐海の植物から出される強い瘴気(しょうき)を帯びた空気を吸い込むと即座に肺が焼けただれてしまうため、腐海に入るときには防塵マスクが欠かせない。そんな、植物と人間が共存できない世界が描かれています。
今の花粉症候群は、元をただせば、高度成長期の日本で森林伐採が急激に進んだときに、すぐ伸びるからという理由で杉を沢山植えたことが原因だと言われています。人間が生態系の一部をおかしくした結果その罰を受けた格好で、いわば、生態系を乱そうとする人類に対して植物が振るった刃のようなもの。
今はまだ目鼻がムズがゆいだけで済んでますが(それだけでも被害は大きいけど)、大量植樹だったり温暖化ガスを撒き散らしたりしているうちに、やがて心肺機能をおかしくさせる花粉や、頭を攪乱させたり、やがては死に至らしめる植物が現れてもおかしくはないと思うのです。飛躍した考えですが、100年・1000年のレベルで考えたらありえないとは言い切れない。

そう考えると、立体マスクをした人を見て笑ってばかりはいられないのですよね。