菊次郎とさき

ビートたけしの幼い頃から芸人になる頃までの、彼の両親を中心とした家族の姿を描いた作品。今よりも時間がゆっくりと流れていた昭和時代の「時代劇」とも言える、どこか懐かしさを感じさせる名作だと思います。
今回は、たけしが初めてテレビに出た日のエピソード。
職人仲間が北野家の茶の間に集まって、みんなが正座で小さなブラウン管にかじりつく。
興奮して騒ぎながら見る父・菊次郎と、瞬き一つせずに口を真一文字に結んで見る母・さき。さきは芸人としてのたけしを認めてはいなかったけど、真剣に見入っていました。そしてその後 菊次郎は、息子の活躍のその裏で、息子が遠くに行ってしまうような気がして寂しがり、俺より先に死ぬなと自分の奥さんに声をかけます。
息子の活躍は喜びであり寂しさであり、複雑な思いなのですね。ほろりとさせられました。