フィギュアスケート世界選手権、を終えて

日本人選手団として最高の結果を出した今大会、エキシビションになってもなおその興奮は冷めやらず、スポットを浴びて優雅に舞う選手達の演技に酔いしれました。
なぜこれほどもまでに興奮を掻き立てられるかといえば、やはりまずはアマチュアスポーツであることですね。決して対価を求めることなく(スポンサー契約は別として)自分の目標を見据えて、体のあちこちを壊しながらもひたむきに練習を重ねています。そして結果を出します。
練習した時間の中のほんの何千、何万分の一に過ぎない数分間に全神経を研ぎ澄ませ、演目を終えて最後のポーズを決めた瞬間の顔。一般視聴者からは見えない、ものすごい努力の末に生まれたであろうこの数分間の出来事の意味を、私たちは想像すらできません。
しかし、彼女たちの笑顔はそれを何のけれんみもなく表情に表し、その顔を見るだけで同じ時間を過ごしているかのような錯覚を覚えます。一生懸命であることがこれほどまでに美しいものかとため息さえ出てきます。
まあ、その背景として、試合前の充分な取材*1、気持ちを高揚させる実況と良し悪しを冷静に評価する解説、そして演技を終えた時の選手の顔のアップ。この一瞬の演技により放たれる、深い思い入れやバックグラウンドをわずか数分間で伝えられるようにするための放送技術も定着してきた感があります。あと、視聴者の舌も肥えて来た頃でしょう。
決してにわかブームではなく、フィギュアスケートという新しいスポーツ観戦のジャンルが出来たことを感じられました。

*1:これは加熱取材ではないかと賛否あるかとおもいますが…