荒船山の遺体 「クレヨンしんちゃん」作者の臼井さんと確認

「クレヨンしんちゃん」作者と確認=滑落か、荒船山の遺体−群馬県警
大変残念なニュース。今回の件は、個人的にいくつかのシンクロがあります。
私の故郷は臼井氏が在住している春日部です。生まれてから社会に出るまで、その片田舎で育ちました。特に高校時代は、春日部駅で降りて駅から高校まで自転車で通いました。自転車で春日部市内あちこちを走り、部活動で校舎から少し離れたテニスコートに通いました。近隣の他校に練習試合に行ったり、部活帰りにみんなでコンビニで立ち読みをしたり、ボーリング、ゲーセン、カラオケにファミレス、デパートに本屋にカレー屋にラーメン屋。初めて彼女と二人乗りをしたのも高校からの帰り道でした。青臭いですが、春日部は青春なのです。
その後、私は大学まで2時間かけて遠い日野市の山の中まで通いました。そんな遠い場所で、しかも地元の友達が誰も誰もいないキャンパスで、入学直後は大所帯のサークルだったこともあり沢山の人に自己紹介をしました。その中で一つ気付かされます。「どこに住んでいるの?」と聞かれるといつも恐る恐る「埼玉の春日部って知ってますか?」と逆に聞き返していたのですが、そうすると決まって「あー、クレヨンしんちゃんの町だね」と言われたのです。こんな遠方で、思いのほか春日部という地名が認識されていて、その知名度upに大きく寄与していたのがしんちゃんだと知ったのが大学一年の春でした。春日部市在住の臼井氏が描く、春日部で自由奔放に育つしんのすけ君に何度も助けられたのです。
今回亡くなったタイミングも非常に残念でした。つい先日封切られた映画『BALLAD 名もなき恋のうた』は、クレヨンしんちゃんのアニメ映画が原作です。劇場版のクレヨンしんちゃんは、お好きな方々には「大人も子供も笑って泣ける映画」として知られています。昨日ちょうど映画の宣伝でテレビ朝日で放送されていた、原作の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を観ました。といっても後半の30分ほどしか見られなかったのですが、それでもあらすじはだいたい知っていたので切ないエンディングに思わず号泣しました。
『BALLAD』に主演している草なぎ剛も春日部育ちです。しかも私と同い年。私の実家や高校から自転車ですぐに行けるところに住んでいた、私にとってとても身近な芸能人の一人なんです(と、勝手に思っています)。高校の友達に小中学校で同級生だった人がいて、卒業アルバムを見せてもらったり、小学校の頃からバク転や鉄棒の大車輪が出来たなど抜群の運動神経だったというエピソードを聞いたりしました。また、いとこの同級生の子がいっとき草なぎ剛とお付き合いしていたとかいう話も聞いたことがあります。酒癖の悪い私としては、例の酔っ払い事件も他人事とは思えませんでした。
そんなご縁のある『BALLAD』なので、シルバーウィークのどこかで見に行こうと思っていたのですが、その矢先の訃報でした。ニュースを聞いて、上に書いた思い出が一気によみがえりました。
故郷の宝とも言える作家の訃報に謹んでお悔やみ申し上げます。