新選組! #26

勇たちが京都に残ることになった時の「一筆啓上、つね様」の回以来の、勇からつねへの手紙をモノローグとして話を進める形式。新選組の名を拝して時間が経過し、勇や周りの環境に起きた変化を効果的に説明しています。
数ヶ月の間に、新選組は名を上げ、組内部での役割分担が明確化され、個性のある隊士も更に増え、大きく力のある団体となっていました。それとともに、局長近藤勇の言動には責任が問われようになり、彼自身にも威厳が出るようになってきました。佐久間象山にまともに口を聞いてもらえるようになったのは、正に彼が自身の力で名を上げたからこそ。
また、新選組の謀のやり方も形が出来てきました。調査し、作戦を練り、実行に移す。それらをしかるべき人間が担当する。大坂町奉行所の内山彦次郎を暗殺した一件は、一連の作戦のキレの良さを表していました。その実行力により、名前を轟かせることとなる池田屋事件まで、もう間もなくです。
話の最後、つねへの手紙は、新選組の暗い部分について触れずに括り、つねを安心させておきながら、手紙から漂う深雪太夫の香水のにおいに、別の心配をさせてしまいます。なんとも言えず、きれいな演出。