世界の中心で、愛をさけぶ #11 最終回

「死」は、時に残った者に深く影を落とします。
アキが笑みを浮かべて去って行ったのに対し、どうしてもアキへの思いを離せずにいたサク。どんな別れの儀式を重ねても、目を瞑ればアキが夢に出てきて、夢から覚めては涙する毎日。そんなサクの深い悲しみを描いたドラマでした。
17年かけて、サクはようやくアキの死という現実を受け止めます。それは、アキと同様一緒に居たいと思える母子の愛情に触れたから。新しい家族への気持ちが上回れば、アキとお別れをすることができると思ったから。そうしてサクはアキの骨を、あの日の校庭に風に吹かれるまま撒き散らし、二人の新しいスタートを切ることが出来たのでした。
サクが新しい家族と自転車に乗るシーンは、この上ない幸せな風景。悲しみを乗り越えたご褒美のように見えました。