優しい時間 #4

人に対し厳しい物言いをしてしまっているのではないかと、自分の考え方に悩むマスター。それをなだめる奥さんの一言が印象的でした。

「あなたもそろそろ、憎まれ役を引き受ける年なのよ」

人よりも多く年をとっていたり、人よりも沢山の経験を重ねている人が、年下の者や未経験者に物事を教えます。それはどんな世界でも当たり前のルール。家族の中での親子や兄弟の関係もそうでしょうし、学校の部活動や会社のお仕事でもそうです。
梓は未熟です。繊細で、不安定な心の持ち主です。
彼女は、父や母との悲しい別れを経て、今はお姉さんとの二人暮しで、学校にもまともに通っていない期間がありました。故に、上の人から物事を教わることも少なかったのだと思うのです。だからこそマスターには、今日のようなことがあっても、父親代わりとしてこれからも温かくも厳しく彼女に接して欲しいと思いました。