優しい時間 #5

マスターの不器用な一面が見て取れた回でした。
自殺した音成さんのお金の相談を断ったことに負い目を感じ、受け取った奥さんが驚くほどの香典を包んでしまい、結局返されてしまったマスター。音成さんが借金で首が回らなくなって自殺したことは事実です。しかし、決してマスターがいけないことをしたわけではありません。仮にマスターが原因だったとしても、それは沢山の原因のうちのほんのこれっぽっちだと思うのです。そんな分かりきったことを、誰よりも繊細な気持ちで深く深く受け止めてしまうマスターは、とても不器用な人だなあと思いました。
梓に対しても同様。気になって仕方が無いのだけど、どうすることも出来なくてただ待っていることしか出来なくて、ようやく帰ってきてくれた梓の姿を見てホッとしたはずなのに、何も言えずに一緒にただ雪かきをすることしかできないでいる姿は、なんだかとてもいじらしく感じてしまいました。
そんなマスターにとって、拓郎のことはとても気がかりで仕方ない存在なのだろうなあと改めて思いました。