優しい時間 #6

静かなお店の中で、あるお客さんがマスターに言いました。

「プレゼントする方とされる方、どっちが本当にうれしいんですかなあ」

今回はこの一言に尽きると思います。
プレゼントをもらうことは勿論うれしい。でも、プレゼントをあげる時の、相手が何が欲しいのかを考えたり、相手の喜ぶ顔を想像するワクワク感もとても良いものです。手渡すときにはなんとも言えず幸せな気持ちになります。
梓のサプライズは半ば強引に持っていこうとして空回りしてしまいましたが、聖夜の日を描いた今回のお話は、プレゼントする人の沢山の思いやりの気持ちとされる人の沢山の幸せな顔が見られた、とても温かいお話だったと思います。
そんな人々の温かい気持ちが、ちょっと不器用に言う沢山の「メリークリスマス」という言葉に表れていました。
つい最近なにかの番組で、アフリカのどこかの国ではプレゼントを受け取る人ではなくてあげる人が「ありがとう」と言うのだという話を聞きました。プレゼントをあげるということは、ご恩だったりお礼だったり、相手に何らかの感謝の気持ちがあるはず。だからあげる人が「ありがとう」と言うのだそうです。お祝いで渡すプレゼントの場合は、めでたいことへの喜びを分かち合えたことに対する感謝かな。とにかく、単純だけど筋の通った話です。
明日、国際結婚で渡米する友人の送別会があります。「ありがとう」と言ってプレゼントを渡そうと思います。